飲食店の「囲炉裏本体」の法規制について
炉端焼き、原始焼き、焼き肉、焼き鳥店などの炭火料理店で使う、「囲炉裏本体」の構造や素材などの法規制についての解説です。あくまで「囲炉裏本体」に焦点を当てたもので、店舗全体の内装制限・給排気設備・離隔距離などの法規制に関する解説ではありません。
【建築基準法】
〇移動できるもの(据え置き型)
容易に移動できる囲炉裏は「建築設備」には該当しないため、火鉢・七輪・練炭コンロなどの物品と同様に、建築基準法上の直接的な規制は受けません。
※ただし、設置場所や製品仕様に法的な制約がない分、設計・運営側での自主的な換気・防火対策が求められます。法規制の対象外=対策が不要、という意味ではない点に注意が必要です。
〇固定されたもの(造作・組み込み型)
現場施工で造作した囲炉裏や、カウンターなどに組み込まれた囲炉裏についても、本体の素材や構造そのものを細かく定める建築基準法上の規定はありませんが、火気を使用する固定設備となるため、防災上の安全面から各自治体の建築指導の対象となります。
【火災予防条例】
全国共通の消防法に基づき、各市町村が定める「火災予防条例」によって細かな規定が設けられています。
囲炉裏本体については、主に以下の基準が求められます。
〇炭火や木灰が接触する部分は不燃材料で作ること。
〇その他の火災の発生のおそれのある部分は、不燃材料で作るか、不燃材料で被覆すること。
(例:大阪市の火災予防条例の場合)
「火鉢にあっては、底部に遮熱のための空間を設け、又は砂等を入れて使用すること」といった具体的な規定が存在します。この「火鉢」とは囲炉裏と解釈できます。
※火災予防条例の細かな規定や解釈は、各自治体(市町村)によって異なります。
◆安全な囲炉裏とは?(設計・導入時の注意点)
囲炉裏の構造や素材には無数の形態が存在するため、すべての安全性を単純な法規だけで規定することは困難です。 たとえば、表面が不燃材料であっても、厚みや距離、炭の量や使い方によっては危険です。そのため、法律や条例はあくまで「最低限の安全確保のための基準」と解釈してください。 現実的な設計・導入においては、過去の安全な施工事例や、実際の運用を想定した使用実験が何よりも有効な安全対策となります。
※設計施工される場合は、必ず着工前に消防予防課と建築指導課で確認をお願いします。