飲食店囲炉裏の【離隔距離:りかくきょり】

離隔距離とは、囲炉裏外周〜壁面などまでの距離のことで、囲炉裏の横方向と上方向に規定があります。
炭火の輻射熱や炭火の飛散による火災を防ぐことが目的です。

(火災予防条例) 
離隔距離は自治体(市町村)の火災予防条令で定められており、全国で統一されたものではありません。
各飲食店において囲炉裏の構造・配置、他設備への影響などが異なり、条例に基づいた総合的な観点から、個別の判断が必要なため、管轄内消防署(予防課)にり判断されることとなっています。
そのため、必ず管轄内消防署にて確認する必要があります。


◆判断基準  【器具】移動式こんろ or【設備】厨房設備


その囲炉裏が【器具】か【設備】かにより、条例での離隔距離の判断基準が異なりますので、まずはどちらかを判断します。

移動できる囲炉裏→【器具】か【設備】かは消防署の判断により異なります。

置くタイプで移動できる囲炉裏のことです。
消防の判断ポイントは「建物等に固定されているものを設備、容易に移動できるものを器具」としていますので、例えば100kgを超える置くタイプの囲炉裏が、固定はされていなくても、容易に移動できるのか?という疑問から判断基準が明確でなく、各消防署に任されているためです。消防署の過去の事例やその囲炉裏の「大きさ・重量・構造」によっても判断が変わるかもしれません。
※建築基準法の「器具」「設備」の分類とは異なります。
※ちなみに、大阪市消防局では、弊社の据え置きタイプ、回転囲炉裏やOKUDAKEは、【器具】と判定されています。

移動できない囲炉裏→【設備】になります。

工事しないと移動できない囲炉裏は、壁面などとの位置関係を変えることができないため【設備】になります。

【設備】の場合は防熱板の設置により、離隔距離を短縮できることがあります。 詳細はこちら



離隔距離 横方向


〇壁とは、囲炉裏周辺のあらゆる固定物を意味しますので、間仕切り、カウンターの囲み、ガラス窓やファサード、ドア、収納棚、食器棚、冷蔵庫、カーテンなどあらゆる設備から離隔距離が必要です。
※下図参照

1)不燃以外の壁 壁の中に木材を使用している壁

低温火災の危険性のある壁です。原始焼き囲炉裏は長時間輻射熱を放つため、注意が必要です。
【器具】30cm以上 →炭火の距離が近い場合は、さらにケイカル板などで遮熱してください
【設備】50cm以上

2)不燃以外の設備 木製の食器棚や冷蔵庫など

木製、樹脂製など燃えやすい材質の設備です。ステンレス板の内側に可燃物が密着しているような機器にも注意が必要です。
【器具】30cm以上 →実際の炭火からの距離によっては、さらにケイカル板などで遮熱の必要があるかもしれません。
【設備】50cm以上

3)不燃の壁 壁の中まで金属などの不燃材のみ使用している壁

【器具】30cm以上 →有効な遮熱できる壁であれば飽和されることがあります。
【設備】30cm以上 →        〃

4)不燃の壁(躯体) コンクリート、ブロック、レンガなど不燃材で作られた壁

【器具】制限なし
【設備】制限なし
離隔距離の制限はありませんが、炭火との距離が近すぎるのは好ましくありません。
壁にダメージを与えるほど高温になる場合は、ケイカル板などで壁を保護してください。

耐熱ガラス

離隔距離が確保できていれば、囲炉裏の周囲に耐熱ガラスを設置できることが、通例となっており、この場合、囲炉裏から耐熱ガラスまでの離隔制限はありません。
耐熱ガラスは輻射熱の遮断、煙の拡散や炭火の爆ぜによる飛散を防止します。

説明 条例による離隔距離を記載していますが、地域により異なる場合がありますので、必ず消防署でご確認ください。



離隔距離 縦方向


〇囲炉裏全面の上部に離隔が必要です。
〇囲炉裏上部に排気設備、ダクト、梁などがあれば、炭火頂点〜その設備の最下部までの距離となります。

※下図参照
器具/100cm以上

設備の場合は上部素材が不燃材か不燃以外で距離が変わります。
設備 / 不燃材80cm以上
   不燃以外100cm以上

囲炉裏の底面

囲炉裏の底面は過熱しやすいため不燃材を敷いたり、底面通気のための空間を保つなどの対策が必要です。

説明 条例による離隔距離を記載していますが、地域により異なる場合がありますので、必ず消防署でご確認ください。



◆離隔距離を確保できない場合の対応


1)消防署に相談

まずは管轄の消防署(予防課)に相談してみてください。
条例による距離は、囲炉裏の構造や設備の工夫で変更を認められることがあります。
火災を予防できればよいわけですから、解決方法が見つかるかもしれません。

2)防熱板による離隔距離の短縮  【設備】のみ

囲炉裏が【設備】と判断される場合は、防熱板を設けることで、離隔距離を短縮できる場合があります。
【器具】の場合は移動により位置を変えてしまう可能性もあり認められていません。
防熱板の設置方法はこちら








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